「お迎えです。」続編連載!TVドラマ!男にもオススメの少女マンガ
僕は元々マンガがすごく好きで、少年マンガ・少女マンガ、青年マンガ問わず、かなり読んできました。
しかし、ある時からマンガを離れ、現在は本棚に200冊ほど厳選したマンガが置いてあるだけです。
というのを先日書いた自己紹介で説明しています。
その200冊ほどのマンガの中に数冊の少女マンガが残っていて、その大半を占めるのが「お迎えです。」というマンガ。
最初は妹が友達の誰かから借りてきてたまたま3巻だけ読んだマンガだったんですが、気づいたら自分で全部集めてました。
作品の概要
あの世に「極楽送迎」(略称:GSG)という会社があり、GSGはこの世に未練がある幽霊をあの世に送迎する仕事を行っています。
偶然GSGの送迎に巻き込まれた霊感の強い「堤円(つつみまどか)」(主人公の男の子)は、それから自分の体を幽霊に貸して未練を晴らし、あの世へ送るというバイトをすることになります。
主な登場人物はGSGに勤める幽霊の2人(ナベシマ、ゆずこ)と、生者である堤円と阿熊幸(あぐまさち)という女子高生。
基本的にはこの4人を主軸にした1話完結の物語が展開されていくという話です。
後半になるにつれてプラスもう一人を追加した話が連載で展開されていきますが、こちらはネタバレになりそうなので伏せておきます。
人の死は悲しい、だけど、悲しいだけじゃない
この作品は人が死んだ後の話です。
そこには悲しみがあるんだけど、この作品は「悲しみ」をメインにした話ではありません。
どちらかというと現世で果たせなかった「最後の願い」を叶える、後味スッキリした話が多いのが特徴です。
いつまでも悲しみに囚われず、今まで誰かに言えなかった言葉を伝えたり、今まで実現できなかったことを実現したり、生きてきた時に努力してきたことが誰かに認められたり。
死人や幽霊を扱っているのに、前向きな話が多いのが特徴だと思います。
死を受け入れて「成仏する」わけです。
それを支えるように、作品全体のテイストも結構明るいものに仕上がっています。
悲しいところは悲しいけど、ただ悲しくて泣くような話というのはあまりありません。
人を泣かせる時に「悲しみ」を強く彩る作品は多いけれど、この作品はそうじゃない。
だから気持ち良く読めるし、たまに読み返したくなる。
純粋に少女マンガとしても面白い
幽霊は老若男女問わず出てきますけど、全巻を通すと比較的「恋愛モノ」の回が多めです。
短編の少女マンガはすぐ読めてすぐトキめける、効率のいいトキメキ源です。
このひとつひとつの話のクオリティが純粋に高いです。
また、主人公たちの人間関係も1話完結の話を繰り返しながら、少しずつ展開していきます。
なので短編で楽しめて、長編としても楽しんでいける一粒で二度おいしい的な作品になっています。
読んだ人にしか伝わりませんけど、個人的には3巻に出てくる「毛プリ」の話が好きです。
「シンプルな記号」と「ギャップ」を持つキャラクター
キャラクターには、説明が簡単なキャラクターと説明が難しいキャラクターがいます。
例えば「お迎えです。」のキャラクターだと、ゆずことナベシマの幽霊組は比較的説明が簡単です。
ゆずこは「多少の自己犠牲も厭わない優しさ」、ナベシマは「ふざけているけれど根は厳格」というキャラクターをそれぞれ持っています。幽霊という超常的な存在であることも関係あるのかもしれませんが、この二人は基本的にスタンスが崩れません。
一方でえんちゃんと阿熊幸にも、分かりやすいキャラクターはあります。えんちゃんは「飄々としてるけど優しい」、阿熊幸は「男勝りで一途」というシンプルな記号を持っているわけです。
ですが、この二人は多面性も持ち合わせています。
えんちゃんは時に「考え無しの直情家」にもなりますし、阿熊幸は「恋に揺れ動く乙女」にもなります。
このシンプルな記号と真逆とも言える要素を持つ矛盾が、えんちゃんや阿熊幸をより「人間らしいキャラクター」にしています。ついでに言うと、普段ではありえない感情の動きに、青春の甘酸っぱさを強烈に感じるわけです。
だから、この二人をすごく可愛く感じます。
これは少女マンガ特有の現象だと思いますが、男女問わずキャラクターが「可愛い」んですよね。いわゆる「萌え」に近いものを、少女マンガの多くのキャラクターが持っています。
他のマンガの紹介になってしまいますが、有名どころだと「君に届け」の貞子や風早くんとかもメッチャ可愛いですよ。
続編連載と実写ドラマ化
作品は2002年に一度完結しています。
スッキリすべてを説明して終わったという感じではなく、ジブリ映画とかでよくある「色々な妄想が広がる」タイプの終わり方です。
その作品が2016年になって再び動き出しました。実に14年ぶりの再開です。
実写ドラマの情報は、続編連載がスタートする2月24日のLaLa4月号にて発表されるようです。
続編はどんな展開になるのか楽しみです。
主人公たちのメインストーリーを詰め込んで進める形ではなくて、続編でも短編を重ねながら丁寧に進展させていってくれるといいなぁ、というのが個人的な希望です。
ちなみに単行本で読むのでネタバレNGでお願いします。